アメリカ合衆国海軍 USS BB3 戦艦 オレゴン
米戦艦オレゴン
本艦はメイン、テキサスに次いで建造された米海軍初の本格的な戦艦、インディアナ級の3番艦です。
1番艦、2番艦が東海岸で建造されたのに対して、本艦のみは西海岸側で建造されました。
これは、まだパナマ運河の存在しない時代でしたから、最初から太平洋艦隊へ配備することを想定した結果と思われます。
本艦は主砲として13インチ砲を4門装備しており、当時の一般的な戦艦の主砲が12インチ砲だったことを考えると、一回り強力な主砲を搭載していたことになります。
更に副砲には8インチ砲を8門搭載しており、火力だけなら後の準ド級戦艦にも匹敵しました。
ただし、艦舷が低く航洋性に乏しいため、どちらかというと海防戦艦に近い存在でした。
本艦は米西戦争の勃発にともないキューバに派遣されることになり、太平洋岸から南米ホーン岬を回って14,500浬の航海を果たしました。
これは航洋性の乏しい本艦にとっては大変な難業でしたが、本艦は見事に成し遂げたばかりでなく、航海終了後も即時作戦参加可能な状態を維持していました。
余談ですが、本艦はこの航海中に平時塗装から戦時塗装への塗り変えを行っており、航海途上においては片舷が白、片舷が灰色という状態もあったそうです。
サンチャゴ沖海戦では予想外のスペイン艦隊の封鎖突破に僚艦が出遅れるなか、いち早く追撃を開始しており、海戦史上でも珍しい戦艦による巡洋艦への追撃戦を展開しています。
この海戦において本艦はスペイン艦隊の主力装甲巡洋艦4隻全てと砲火を交え、これらを撃破するという大殊勲をあげています。
本艦が合衆国海軍の誇りと言われる所以です。
本艦は米西戦争の後にも数々のエピソードを重ねることになりますが、ここでの主題からは外れるので割愛させていただきます。
ただ、あえて特筆するなら、本艦は誕生してから60年以上もたった1956年に日本でその生涯を終えています。
製作・衛
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