ドイツ帝国海軍 戦艦 プリンツレゲント・ルイトポルト
(SMS Prinzregent Luitpold)

プリンツレゲント・ルイトポルトは、ドイツ海軍カイザー級戦艦の4番艦です。
ドイツでは巡洋戦艦を優先してタービン機関を搭載したため戦艦では前級までレシプロ機関を採用していましたが、このカイザー級から戦艦として初めてタービン機関を搭載しました。
本艦はカイザー級の中で唯一タービン機関とディーゼル機関を混載する予定で3軸の内中央軸をディーゼルで回す計画でしたが、結局ディーゼル機関の搭載は中止されたため本艦のみ2軸艦となってしまい、他の同型艦より1ノット程遅かったと言われています。
また、この機関問題のせいか工期が遅れ、5番艦ケーニヒ・アルベルトよりも後に竣工しています。

前級のヘルゴランド級が舷側砲塔を両舷2基づつ配置していたのに対して、両舷1基づつの舷側砲塔を梯形配置とし、更に後部砲塔を背負い式配置にすることにより、砲塔が1基減っているにも関わらず片舷砲力は25%増しになりました。
ジュットランド海戦にも主力戦艦の一隻として参加し169発の主砲弾を発射しましたが、これといった戦果も被害もなく帰還しています。
1917年8月にキール軍港停泊中の本艦の水兵が反乱を起こし、この時は鎮圧されたものの1918年11月のドイツ革命の先駆けとなっています。
終戦後、他の多くのドイツ主力艦と同様にスカパフローに抑留され、一斉自沈によりその生涯を閉じています。

性能諸元
排水量 常備:24,724 トン 満載:27,000 トン  全長 172.4 m  
全幅 29.0 m 吃水 9.1 m
機関 海軍式石炭・重油混焼水管缶14基 + 直結タービン2基2軸推進)
最大出力 26,000 hp 最大速力 20ノット 航続距離 12ノット/7,200 海里
燃料 石炭:3,100トン
重油:200トン200トン
乗員 1,084名(旗艦は司令部要員94名追加)
兵装 クルップ 30.5cm(50口径)連装砲5基 クルップ 15cm(45口径)単装速射砲14基
クルップ 8.8cm(45口径)単装速射砲8基 50cm水中魚雷発射管単装5門

装甲 舷側:170〜350mm(水線中央部)、180mm(艦首尾部)、75mm(機関区隔壁)
甲板:60mm(主甲板)
主砲塔:300mm(前盾)、100mm(天蓋)
主砲バーベット:300mm(最厚部)
副砲ケースメイト:80mm(防盾)、170mm(最厚部)
司令塔:350〜400mm(前盾)、200mm(後盾)
製作:衛
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